華道や茶道、また柔道など日本古来の文化の1つとして数えられる書道。
筆と墨を用いて和紙に文字を書く芸術です。
習字が文字を習う基礎編と考えると書道は、文字の美しさを追求する応用編といったところでしょうか。
みなさんも学生の頃に授業や部活動、習い事などで1度くらいは経験したことがあるはず。
そんな書道に欠かせないのが筆をはじめとする書道道具。
ここでは書道の命といっても過言ではない書道道具の手入れ方法や正しい保管方法、また使い方をご説明したいと思います。
書道道具の手入れ方法とは?道具別に紹介!
書道をおこなうために必要な道具って何か分かりますか?
正解は、【筆】・【墨(墨汁)】・【紙(和紙、半紙)】・【硯(すずり)】などです。
あっ文鎮(ぶんちん)もありますね。
筆者は社会人になり最近ではめっきりやらなくなりましたが、なんとか思い出すことができました(笑)。
書道道具は日頃からきちんとお手入れすることがとても大切です。
少しでも疎かにすると…すぐに使えなくなってしまいます。
そうならないように道具別にお手入れ方法をご紹介したいと思います。
上記で挙げた道具で特に手入れが必要なモノは…【筆】と【硯】。
それ以外の道具に関しては墨がついた部分をキレイにふき取り、しっかり乾かした上で日陰などに保管しておけば大丈夫です。
筆のお手入れ方法はコレ!
書道で書を書くときに使用する筆。筆は、種類(学童用・大人初心者用・上級者用など)やサイズも様々なものがありますが、ここでは基本の太筆と細筆のお手入れ方法をご紹介したいと思います。
・太筆の洗い方
①ティッシュなどで筆についた墨をふき取ろう。
使い終わったらすぐに流水やぬるま湯などで洗うのが望ましいと言われていますが、その場で洗うことが難しいときは、まず先に墨をふき取っておくことが大切です。
②もみ洗いをしよう。
毛の根元部分をもみほぐすようにぬるま湯でしっかり洗いましょう。
ゴシゴシとこすったりするのはNGです。
指の腹を使い優しく揉んで、墨が出なくなるまで根気強くしっかり洗い続けましょう。
洗っても洗っても果てしなく墨は出てくると思いますが、完全に洗い流すのは不可能なんです。
そのため、ある程度墨が薄くなってくれば完了です。
【ワンポイントアドバイス】
・毛の根元部分は重点的に洗いましょう
筆の毛は、毛の差し込み部分の奥まで入り込んでいます。
そのため、見えていない部分に入り込んだ墨を極力取り除いてあげることで毛が傷まず、
毛が腐ったり抜けたりなどの現象が起こるのを出来る限り防ぐことが可能です。
流水でも溜め水でもオッケーですが、30~40度前後のお湯で洗いましょう。
③水分を取り除いてカタチを整えよう。
洗い終えた筆を優しくしぼるようなイメージで水分を取り除きましょう。
決して、雑巾のように絞ってはダメですよ。
ティッシュなどで水分をふき取るのもオススメのやり方です。
その後は、指で毛先のカタチをキレイに整えましょう。
円錐状になるように整えるのがポイントです。
④乾かそう。
風通しの良い日陰に筆吊りなどに吊るして乾かしましょう。
ない人は壁に押しピンを刺し、吊り紐の部分をかけて乾かしましょう。
ポイントは、毛の部分を下向きにして乾かすこと。
なぜ毛を上向きがダメなのかと言うと落としきれなかった墨が根元の方まで落ちてきて、根元で固まりカチカチになる恐れがあります。
また次に使う時は、しっかり乾いてからにしましょう。
常に湿った状態で筆を使用することにより毛が腐ってしまう原因になります。
【細筆の洗い方】
①ティッシュなどで筆についた墨をふき取ろう。
洗い方と書きましたが、細筆は使い終わっても水でもみ洗いをする大筆とは違いしっかり洗う必要はありません。
やり方を2つご紹介したいと思います。
ご自身にあった方法でお手入れをして下さいね。
洗い方①
ティッシュペーパーや使わない不要な半紙など用意。
それらを使って、毛の流れに沿ってふき取ります。
洗い方②
先端だけを少量の水で洗いましょう。
大筆のように全体をしっかり洗ってしまうと細筆を固めるためについている糊が取れてしまうので、軽くで問題ありません。
②カタチを整えよう。
指で毛先のカタチをキレイに整えましょう。
大筆と同じように円錐状になるように整えるのがポイントです。
硯のお手入れ方法はコレ!
硯も使用後はそのまま放置するのではなく洗うようにしましょう。
そのまま放置しておくと墨が固まり墨をすることが十分に出来なくなってしまったり、悪臭が発生する原因になってしまいます。
①ティッシュなどで硯に残った墨をふき取ろう。
硯に残っている墨をティッシュなどでふき取りましょう。
②水洗いしよう。
ぬるま湯に当てながら丁寧に水洗いしましょう。
水でも大丈夫ですが、ぬるま湯の方が、汚れが落ちやすいです。
またタワシなど固い素材のモノでこするのではなくやわらかいスポンジを使うのがおすすめです。
③乾かそう。
硯を洗い終えたら布などで水分をふき取り自然乾燥させ、水分が残らないようにしましょう。
全ての工程を終えたら高温多湿な場所を避けて保管するようにしましょう。
筆や墨などの書道道具の保管方法について解説
せっかくお手入れをしながら大切に書道道具を使っているのだから保管方法もしっかり理解しておきたいところ。
書道道具が苦手としてる場所…高温多湿・直射日光・温度変化の激しい場所などです。
どんなことが起こると考えられるのか、硯で説明します。
硯は温度変化によってヒビが入る恐れがあります。
これはほとんどの書道道具に共通することです。
水で洗うモノが多いため、保管場所によってはカビなどの発生し道具が傷んでしまう恐れもあります。
上記の理由からなるべく書道道具が苦手としてる場所や環境を避けて保管するようにしましょう。
まとめ
書道道具のお手入れ方法などをご説明してきましたが、いかがでしたか?
正しくお手入れを行い、書道道具が苦手な場所を避けて保管しておくことがあなたの大切な道具を長持ちさせる秘訣です。
ここでご説明した方法は一例にはなりますが、参考になれば嬉しく思います。